興信所調査員のリスク
興信所という仕事では、尾行・張り込み・聞き込み・撮影などを行います。
これらの興信所の仕事を経験したことがない方にとっては想像しにくいことかもしれませんが、実はどれも一歩間違えば、警察のやっかいになってしまうものばかりです。
一応、興信所の尾行・張り込みは、探偵業法によって正式に依頼を受けた場合は合法となっていますが、もともとの行為自体は都道府県の迷惑防止条例違反になりかねない行為です。
そして、少々を度を超してしまうと、法律違反に抵触してしまうことになります。
どういうことかというと、対象者を尾行してマンションに入ったとします。
対象者の入ったマンションをよく調べようと、マンションの中や敷地内を歩き回っている時に住民に不審に思われたとします。
そこで警察に通報が行き、警察が駆けつけたところにマンション敷地内にいたら、住居侵入罪の現行犯になる可能性があります。
やってはいけないこと
張り込みにおける例を一つあげてみます。
調査場所が都心ではなく郊外の住宅地で田舎と言える場所だったとします。
時間は夜20時であたりは暗くて人影もほとんど見られません。
ただ道ばたに立って対象者の自宅を見ているだけではすぐに不審者と思われてしまいます。
対象者の自宅の周りは広い田んぼになっており、見通しは悪くはないのですが・・・。
そこで興信所調査員はいっそのこと、田んぼの中にひそんで対象者の自宅を見張ろうと考えました。
確かに道ばたに立っているよりは目立たないのですが、怪しげな人影に気付いた近所に住む田んぼの持ち主が警察に通報し、調査員はあえなく現行犯で連行されてしまいました。
他人の田んぼに侵入することは軽犯罪法の「田畑等侵入の罪」に該当します。
いくら仕事のため、小さな罪とはいえ、それが正当化されるわけではないのです。
経験の浅い調査員・探偵であればあるほど、無茶なこと(法に触れる方法)を選択してしまう傾向にあります。
大げさな言い方になるかもしれませんが、この例のように興信所の調査員は尾行・張り込み・撮影をする上で、常に法を犯してしまう危険があるのです。